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Webアクセシビリティについて考える Part1
みなさまこんにちは。コーダーのtabataです。
先日、CSS Nite LP62 Webアクセシビリティの学校に参加してきました。
今回はその内容と感想をまとめてみました。
会場がとにかくアクセシブルだった
今回のCSS Niteでは手話通訳をしてくれる方が2名おり、また、UDトークというアプリを使ってリアルタイム字幕がモニタに映されながら行われました。
もうこれだけですごいアクセシブル。
そして、この字幕の精度が半端じゃなかったです。日本語と英語が同時に見られるのがまたすごい。
間違った翻訳をされたら、一緒に見ている人たちみんなで修正ができて、議事録を作ることも可能とのこと。
これはいろんな場面で使えそうです。
アクセシビリティについて、勘違いをしていた
まずは、アクセシビリティってなに?というところから始まります。
私は以前まで、
アクセシビリティ = 障害を持つ人・高齢者への対応
と、考えていました。
しかし、ISO9241-20のアクセシビリティ定義では、
アクセシビリティ = 様々な能力を持つ幅広い層の人々に対する、製品、サービス、環境または施設のユーザビリティ
とのこと。そもそも違っていたわけですね。
私の場合、バリアフリーとかユニバーサルデザインとか、そういった言葉と同じようなニュアンスでとらえていました。
ちなみに、ユーザビリティ = 使いやすさ や 分かりやすさ だとすると、それぞれの解釈としては、
- その人に対して使いやすい → ユーザビリティ
- 様々な人にとって使いやすい → アクセシビリティ
といった感じでしょうか。
アクセシビリティの方が影響する範囲が広いんですね。
小さなことからコツコツと
今回のCSS Niteで木達 一仁(ミツエーリンクス)さんが仰られていたのは、
- WCAG / JIS X 8341-3 を使わなくてもいい(WAI-ARIAを使わなくてもいい)
- 簡単なことから始めよう(ただし、それを継続しよう)
でした。
私はこれまで、時間が余ったらやろう、程度にしか考えていませんでしたが、この話を聞いて自分でもできることから始めようと思いました。
Webサイトを閲覧する人は様々 → 使用するデバイスや環境も様々
いくらかっこいいサイトを作っても、わかりにくかったり操作しにくかったら、ユーザーは離れていってしまいます。
ですから、様々な人たちにとって使いやすいサイトを作ることは、私たちWeb制作者の役割の一つなのだと感じました。
とは言っても、今すぐに全てのページで取り組むとなるとどうしても学習・作業面でコストがかかってきます。(案件や作成するページにもよるとは思いますが)
なので、始めは取り組む上での優先度を決めようかなと思いました。
単発もののLPや、納期の短いものであれば、アクセシビリティへの優先度は下がり、
逆に、企業のコーポレートサイトや比較的時間に余裕のあるものなどは積極的に取り組んでいこうと。
また、全てのページで取り組むのが難しいということであれば、最低限コンタクトフォームだけは…と、ページを絞って取り組むのも良いかと思いました。
何をすれば良いのか
最後に、具体的に何をすればよいのかです。
植木 真(インフォアクシア)さんが、当日にお配りしてくれた、Webアクセシビリティ確保 基本の『キ』がこちらです↓
- ページの内容が分かるページタイトルを記述する
- 見出しやリストなどの文書構造をマークアップする
- リンクテキストは、リンク先が分かる文言にする
- 情報を伝えている画像に代替テキストを提供する
- 情報を伝える色の使い方に注意する
- ユーザーがコンテンツを拡大表示できるようにする
- キーボードだけでも操作できるようにする
- フォーム・コントロールのラベルや説明をマークアップする
- エラーメッセージではエラー箇所と修正方法を明示する
- 動画にキャプション(字幕)を提供する
これを見てみると、案外すぐにできそうだなと感じますし、なんなら既にやっていることも多いかと思います。
これらを少し気をつけるだけでサイトのアクセシビリティを高めることができるのです。
逆に言えば、実際はまだまだ取り組めていないというのが事実でもあります。
この講演を機に、Web制作者みんなでアクセシビリティへの意識を高めていき、少しずつ取り組んでいけたら良いですね。
次回は実践編を考えております。お楽しみに!