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自動車メーカーから探るロゴデザインのトレンド
こんにちは!デザイナーの森本です。
今年2月から国立新美術館で開催されている佐藤可士和展、みなさん行かれましたか?私もコロナの感染対策をしっかり取って、是非行きたいと考えています!
さて、佐藤可士和さんといえばユニクロやセブンイレブンのロゴが有名ですよね。そんなロゴに関連して最近気になっているニュースが、ロゴのリニューアルに関するものです。ロゴといえばブランドイメージの核となるもので滅多に変更されるものではないはずですが、ここ数年、有名企業がロゴを更新したというニュースが増えたように思います。
今回の記事では、ロゴの変遷を追ってデザインのトレンドを探っていきたいと思います。以下の理由から、自動車メーカーに注目しました。
- 創業からの歴史が長い企業が多いので、ロゴの変遷を追いやすい
- グローバル企業が多いため、国内外のトレンドを追うことができる
また前職で自動車業界に携わっていたこともあり、個人的に関心がある分野でもあります。今回は3社に焦点をあててご紹介します。
トヨタ自動車
最初にご紹介するのは、やはりこちらの会社、トップを走り続けるトヨタです。こうしてみると、意外にもロゴの変更回数は少ないようです。誰もが知る楕円のトヨタマークがデザインされた1989年以前、カタカナがロゴに使用されていたとは意外でした!
その後約30年はロゴが変更されることはありませんでしたが、昨年2020年、欧州トヨタでTOYOTAのロゴタイプが省略されたロゴが発表されました。自動車を作る会社から、モビリティサービスを提供する会社にシフトすることを象徴しているとのことです。
一般的に、ロゴにマークだけでなく、ロゴタイプも含めることで企業名をユーザーに覚えてもらえるという効果はあると思います。ただし、トヨタの事例のように企業の知名度が既にあれば、シンプルなロゴに改変することでロゴマークの印象を更に上げることもできるのだなと思いました。
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日産自動車
続いて、日産自動車のロゴの変遷を見ていきたいと思います。トヨタと比べると、ロゴの変更回数は多いようです。日産といえば、円の中央に力強くNISSANと描かれているロゴですよね。初めて登場したのは1988年で、上でご紹介したトヨタのロゴが大きく変わった時期と重なっています。日本の自動車メーカーが海外での販売強化のためにロゴを改変した時代だったのかもしれません。
そして、2020年にもロゴの印象が大きく変わっています。新型電気自動車の発表とともに公表されたこちらのロゴは、デジタルとの親和性を高めるようデザインされたようです。確かにいままでのロゴと比べるとシンプルでフラット、スマートな印象があり、PCやスマホ上でもきれいに見えます。
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プジョー
最後に、海外メーカーのロゴも見てみたいと思います。世界最古の自動車メーカーと呼ばれるプジョーに注目しました。プジョーといえばライオンのロゴですが、創業から一貫してライオンのモチーフは変わっていないようです。しかしライオンの頭部のみだったり、ゴールド・シルバーだったり、ライオンの様々な顔が見えておもしろいですね。
今年2月に発表されたロゴは1960年のロゴと似ていますが、フラットなデザインになることで大きく表情が変わっています。伝統的な雰囲気がありながらも、スタイリッシュで現代的な印象を受けます。
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おわりに
いかがだったでしょうか?今回、3社のロゴの変遷をご紹介しましたが、共通してロゴのフラット化が進んでいることがわかると思います。いずれも、デジタルへの対応がリニューアルの一因となっているようです。
また、ここ数年の傾向として、GoogleやYahoo!等の有名企業をはじめ多くの会社がロゴをよりシンプルにデザインしています。その時代の流れに乗ることで、先進性や変化に柔軟な姿勢を見せたいという側面もあるのだと思います。
今回ロゴの変遷を見ることで、ブランドのアイデンティティを維持しながらも、現代の環境やユーザーに合わせてロゴをアップデートしていく自動車メーカーの姿を垣間見ることができました。
EVOWORXのデザイナーはWebサイトのデザインだけではなく、ロゴの制作から携わる案件もあります。私自身、入社してから何度かロゴの社内コンペに挑戦したのですが、いまだ採用されず、、トレンドをおさえつつ、企業の「らしさ」が伝わるロゴをデザインできるよう、もっと腕を磨いていきたいと思っています!
最後に、社内でロゴ制作から携わった案件をいくつかご紹介しますので是非見てみてくださいね!