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Colosoのデザイナー向けBlender講座を受けてみた(ビギナーレベル)

Saki Matsui
Designer

こんにちは、デザイナーの松井です。

Blender学習者としてYouTube以上のもので学べたらと思い、Colosoで販売しているこちらの講座完全攻略50講:3Dが初めてのITデザイナーのためのBlenderを受講してみました。

講師の方は同じデザイナー(ただしグラフィック)として活躍されており、概ね断片的なYouTube動画に比べると体系的に学べるので個人的には受講してよかったです。

この講座の体験談や口コミが圧倒的に少ない!ということもありここにレビューを残したいと思います。この講座が気になってたという方、デザイナーでBlenderに興味がある方、すぐに実務に活かせそうな作品を学びたい方は是非参考にしていただければと思います。

0. はじめに

こちらの記事はBlenderを1回以上触ったことがある方向けに話していますので、モデリング?レンダリング?という方はもしかしたら理解の難しい箇所があるかもしれません。

ただ、講座自体は全く初めての方でも問題ない内容になっていましたので誤解のないように明示させていただきます。

1. 講座概要

本講座は、webサイトやアプリ制作の実務に活用できそうな3Dのグラフィックアイコンスタイルとそれを効果的に演出するアニメーションが学べるチュートリアル講座です。

「アイコンを3Dで作れるようになりたい!」「ちょっとしたイラストをCGで作りたい!」という方にはもってこいだと思います。

買い切りで¥22,300 ~で購入できます。(2025/1/20現在)
ただ今後はさらに値段が上がる可能性があります。というのも時間経過に伴い適応される割引き額が減っていくためです。今日が一番お得に購入できるシステムとなっています。

講座提供元のColosoについてはわかりやすい記事があったので気になる方は別途こちらを確認ください。

2. 学べること

・Blenderのインストール
・とってもとっても簡単な練習モデリング
・基本的なショートカット
・よく使う機能(モディファイアやシェーダーetc.)
・作業環境の設定(ライティングやカメラetc.)
・モデリング32種
・アニメーション9種
・モデリングしたものをKVとして演出2種

モデリング例

詳しくは講座紹介ページを確認ください。

3. 受講時間目安

受講完了までの目安:30〜50時間ほど
※あくまで目安です。

総授業数:50
1授業あたりの時間:平均20分
1授業を実際受講してる時間:およそ30分〜1時間

実際の受講時間が長くなる理由
・韓国人講師なので字幕と同時に画面を追うことになるため
・つまずく箇所が発生すると解決するのに時間がかかる場合があるため
以上の理由から講座時間より実際の作業時間が長くなる場合が多いです。

4. 受講してよかった点

デザイナーに寄り添った制作フローと解説

不特定多数のBlenderユーザー向けの動画が多いYouTubeに対し、デザイナー向けの講座となっているため、デザイナー視点の説明が多くスムーズに進めることができました。

例えばUVマッピング(苦手とする方が多いと思います…)は、フォトショップを駆使した方法で教えてくれます。YouTubeで「Blender UV」で調べると直接書き込んだり複雑な形の展開が多かったりと初学者としては難易度が高いと感じるものが多いです。慣れ親しんだフォトショップを活用する方法はわかりやすい・使いやすいで、初めてUVに触れる方はハードルがかなり低く感じられるのではと思います。

フォトショップでのUVマッピング


私は最初のUV展開を海外アーティストの方の動画(字幕・音声ともに英語)で学んでしまい、大変苦戦したのでUVへの苦手意識が半端ないです…デザイナー向けかつ日本語で学べるものはそうそうないので個人的にこの講座はありがたいです!

また、グラフィックデザイナーとして活躍されている講師なのでもちろんグラフィックのクオリティーが高いところもポイントかと思います。デザイン・CGどちらもプロレベルという教材は限られるのではないでしょうか。


実務に活かしやすい3Dグラフィック

お金、手、スマホ、PCなどアイコンや装飾としてデザイナーがすぐにでもデザインに取り入れやすいグラフィックが多いです。また、完成した3DグラフィックをUI画面に組み入れたデザインイメージをFigmaデータで提供してくれているので、デザイン制作の際参考にすることができます。

Figmaデザインデータ

デザインデータだけでなく、各授業Blenderの完成データもダウンロードできます。

感動的な作業環境

YouTubeのチュートリアル動画は場合により、自分の作業環境と違う・ショートカットキーが違うということもあるため一番最初の動作から躓くなんてこともしばしば。この講座は最初に全ての環境を整えそれ以降はいじらないので、Blenderの醍醐味ともいえるモデリング・シェーディングなどの作業に集中できる点がありがたいです。

特に私が感動した部分は
・ウィンドウの使い分け
・ライティングとカメラの設定

作業とレンダリング周りが段違いにやりやすくなりました!

自分のペースで学習できる

講座は一度買ってしまえば無期限でいつでも視聴が可能です。また広告やおすすめ動画などは一切なく、受講中に画面内に邪魔が入ることもありません。

再生速度は0.5~2倍速の16段階で細かく設定できるため自分に合った速度で視聴できます。

16段階で細かく速度を調整

ブックマークやノート機能で見返しが楽ちん

ブックマーク機能があるため、テクニックやスキルの復習・見直しがしやすいです。ノートも取れるのでNotionやメモ帳など、別で管理する必要がない点も魅力的です。

5. 気になった点

日本語字幕

韓国語ができる方は何も問題はいらないのですが、そうでない方は少し進めにくい箇所があるかもしれません。字幕と作業画面の行ったり来たりが必要なのと、日本語が直訳すぎて言い回しが自然でないことがあります。

質問ができない

質問サポートがないので、疑問点・不明点は自力で解決する必要があります。

Blenderあるあるですが、動画と全く同じように作業していてもいつの間にか他のキーを押していて講師の作業画面と違う結果になり、次のステップになかなか進めず1-2時間経過しているなんてことも!

今回講師には質問できませんが、みんなのBlenderという無料のオープンコミュニティがありますので、何をしても解決できないという方はここでなら解決できるかもしれません!

アップデートによる弊害

BlenderはアップデートによりUIが変わってしまうことがあります。動画教材全般の欠点ですが、自分の画面が講師のバージョンとは違う見た目になっていることもあり本当に初めて触れる方は位置を把握するのに時間がかかる可能性があります。

バージョンによりUIが異なる一例

ある程度モデリング・アニメーションができる人には物足りないかも

「自分が作りたいものは大体作れてしまう。」「簡単なアニメーション表現は問題ない。」という方にはもしかしたら高い買い物になる恐れも。難しいとされているスカルプトやリギングについては一瞬触れるくらいなのでもう少し高度なスキルを伸ばしたい方には不向きかと思います。ただデザイン同様、制作フローに正解がないからこそ、新たなノウハウや手法が得られるかもしれません。

6. まとめ

あくまでデザイナーとして、スキルアップという点でBlenderにチャレンジしたい方にはピッタリな講座かなと思います。1つ1つの動画のボリュームは大したことなく初心者でもサクサク進められるように工夫されています。

ただ安い金額ではないと思うので気軽には手が出しにくいですよね。よく検討し満足のいく選択ができるようこの記事が役に立ったら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!