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人々の心を掴む!動物を使ったパッケージデザイン
はじめに
こんにちは。アシスタントデザイナーの風早です。
最近は自身の引き出しを増やすために、WEBに関わらず幅広いデザインに触れようと努めています。
そんな中、日本のグラフィックデザイン2024というイベントに足を運んだことがきっかけで、パッケージデザインに興味を持つようになりました。
今回は、動物を効果的に使った商品パッケージのブランディングについて、みなさんお馴染みの商品から海外のものまで紹介していきます。
鼻セレブ
はじめに紹介するのは、ネピアが販売する『鼻セレブ』です。
こちらの商品には、前身となる『ネピア モイスチャーティシュ』という商品がありました。人気があったのですが、「保湿ティッシュ」という表現から、「ウエットティッシュ」と混同する消費者も多く、「濡れていない」と問い合わせを受けることがあったそうです。
そこで2004年リブランディングを行います。
「鼻に使う、高級なティッシュ」というコンセプトのもと、「鼻」というインパクトのある漢字に、高級感をあらわす「セレブ」を合わせた『鼻セレブ』という商品名で販売。パッケージもお馴染みの動物のデザインに変わりました。
アップデートに伴い、うさぎのオーディションを開催したり、人気に合わせて動物を入れ替えたりとパッケージに対しては特にこだわりを感じますね。約5年前に行われた『鼻セレブ cafe 鼻屋敷』はフォトスポットやスイーツなど楽しめる女性に好評なイベントでした。
パッケージやプロモーションについてこちらの取材記事に詳しく書かれています。
シリーズ商品はバリエーション豊富で、EC限定で販売した『超鼻セレブ』はサーバーダウンするほどの人気だったそうです。20周年を記念したサイトが素敵なので、ぜひのぞいてみてください!
おかげさまで20周年!!鼻セレブレーション :
https://e-nepia.com/products/hana-celeb/hana-celeb-20th.html
たべっこどうぶつ
2つ目に紹介するのは、ギンビスの『たべっこどうぶつ』です。
こちらにもルーツとなる『動物四十七士』という商品がありました。フォントや配色は、『たべっこどうぶつ』とのギャップを感じます。
『たべっこどうぶつ』は親子で楽しむビスケットとして人気を博していましたが、ファミリー層以外の中間層へのアピールの弱さが課題になっていました。そこでギンビス社は、パッケージのキャラクターを活かしたグッズ展開により、PRを進めることにしたそうです。キャラクターの魅力と、昨今の「80年代ブーム」や「推し文化」が相まって、若い女性にヒットしました。
個人的には、他の動物パッケージと比較して、動物の種類・カラーのバリエーションが豊富な点が、より多くのファン層を獲得する一要因だと感じます。現在、『たべっこどうぶつLAND』というイベントが開催中で、私も今月行く予定です!
参考 : https://guidetokyo.info/history/company/company38.html
どうぶつのり
3つ目に紹介するのは、不易糊工業株式会社の『どうぶつのり』です。幼稚園や教育現場でよく使用されているこの商品、一度目は目にしたことがあるのではないでしょうか?
フエキくんという黄色い犬のキャラクターの顔がプリントされています。文房具から始まりコスメや食品まで、多岐にわたりシリーズが展開。フエキくんもたべっこどうぶつと同様、レトロな可愛さが人々を魅了していると感じます。2017年に、『どうぶつの森』とのコラボで販売された、『どうぶつののり』はとても反響が大きかったようです。
参考 : https://www.walkerplus.com/article/1018263/
コアラのマーチ
4つ目に紹介するのは、『コアラのマーチ』です。
商品開発を進めていた時期に、コアラの初来日のニュースがあったことから、この話題にちなんだコンセプトに。マーチと付けたのは、1日のほとんどを木の上で寝て過ごすコアラが、明るく、楽しくマーチングバンドを組んで日本にやってくるイメージを持たせたかったからだそうです。
パッケージの六角柱はユーカリの木を表しているそうで、この形状がさらに商品のインパクトを強めていると感じます。四角い箱よりも小さく畳みやすいので、環境にも優しいです。
参考:https://j-town.net/2016/07/04228417.html?p=all
ミルグラッド
最後に紹介するのは、ロシアの乳製品会社『ミルグラッド』の牛乳パックです。
デザインを担当したベラ・ズベレワさんは猫を用いた理由について、「①競合とのデザインの差別化ができること」、「②彼女の飼い猫のくつろいでいる様子が商品で訴求したい『快適』『温かさ』『親切』などのコンセプトにマッチしていること」の2点を挙げています。
あどけない表情の猫が可愛らしいことに加え、パックを繋げると、一匹の猫の絵柄が完成するデザインになっているため、複数集めたいという意欲をかき立てるデザインだと感じます。こちらのインタビュー記事が興味深かったので、ぜひ読んでみてください!
おわりに
いかがでしたでしょうか。今回紹介した動物パッケージは、「馴染みやすさ」と「斬新さ」の双方を持ったデザインが多い印象でした。自身の制作において柔軟なアイデアを出せるよう、今後もインプットを継続していきたいです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!それではまた。
参考書籍
福井政弘、菅綿子(2014) 『パッケージデザインを学ぶ 基本知識から実践まで』